クロウ
「よし、始まったな、IF THE CLOCKの第1話! いきなり重たいシーンからだな……
『老婆が孫娘に水晶のペンダントを託して、そのまま――』
え、いきなりお別れ?」
ユシカ
「『老婆の最期のメッセージには、意味深な言葉と、シザール文字が隠されていた』
シザール文字っていうのは、読んでほしい人にだけ本当の意味がわかる秘密の文字なのよ」
クロウ
「便利だけど、悪用されたらめちゃくちゃ危ないやつじゃないか? で、そのメッセージがこのあと関わってくるんだな」
ユシカ
「そのとおりよ!」
ユシカ
「『冒頭の謎を残して始まる物語。舞台は、統制国家《ルドヴァイア》に支配された世界《リ・グラス》』
アタシ、ユシカが暮らすのは、ルドヴァイア国のはずれにあるトルニカ島。
『平和な世界のはずなのに、自由な探検はちょっと危険!』」
クロウ
「はいはい、出ましたね、ユシカの自由人発言。で、その探検が危険な理由は……えっ、禁書!?」
ユシカ
「国が「これは危ない本だ!」って決めたら、たとえ紙切れ一枚でも罪になるの。なのにアタシは、小瓶に入った謎のメッセージを宝物にしてるわ!」
クロウ
「それ、完全にアウトじゃないか? 国に見つかったら終わりだぞ」
ユシカ
「でもね、その紙が、アタシの出生の手がかりかもしれないの。7歳の頃に浜辺で拾ったのよ。名前すら覚えてなかったアタシにとって、自分を知る手がかりになるかもしれないわ!」
クロウ
「なるほど……お宝探しっていうより、自分探しの探検ってことか」
ユシカ
「ふふーん。かっこいいでしょ?」
クロウ
「いや、別に」
ユシカ
「何よクロウ、ノリが悪いわね……。アタシがアンタと一緒に探検しようと、待ち合わせ場所に向かってる最中なのに。
で、『待ち合わせ場所に向かうアタシは、祠の洞窟で青い衣の謎の人物に遭遇! しかも、「帰れ」って言われたのに、次の瞬間――』」
クロウ
「『ユシカ、吹っ飛ばされる!! まるで紙飛行機みたいに!』」
ユシカ
「何でそういうところだけノリがいいのよ!
それと、アタシが吹き飛ばされたのは、赤い衣の謎の人物が登場してからよ」
ユシカ
「『アタシの前に、赤い衣の謎の人物が現れると、何やら不穏ムード……』あわわっ」
クロウ
「うわ、いきなり対立構造だな……不穏ムードに巻き込まれるのがユシカってことか」
ユシカ
「巻き込まれたくないけど、巻き込まれちゃうのが主人公の宿命、ってことね。
『不吉な未来と、希望の物語が動き出す――』」
クロウ
「おお、決まったな。でも、これはまだ序章だろ? めちゃくちゃ情報量があるんだけど」
ユシカ
「大丈夫よクロウ。これから先もアタシたちが、ざっくりとストーリーを紹介していくんだから!」
クロウ
「ええーっ!? これからもなのかよ!? 大丈夫かなぁ。まあ、ユシカと一緒なら頑張るよ」
ユシカ
「とはいってもクロウは第1話で姿を見せてないんだけれどね」
クロウ
「あーもう! ここまで頑張ってストーリーを紹介してきたのに、最後にそれを言わないでくれよ!!」
クロウ
「次の話は俺が登場するから、ぜひ見てくれよな!」